理事長挨拶
財団法人海外通信・放送コンサルティング協力 内海 善雄
この度理事長に就任しました内海善雄でございます。前任の清水英雄同様宜しくお願い致します。
1998年から2006年にわたる2期8年のITU事務総局長任期中、多くの皆様からご支援・ご協力を賜り本当に有難うございました。幾重にも厚く御礼申し上げます。
ITUでは、事務総局長という立場で世界におけるICTの発展とその普及に微力を尽くして参りました。この間、2002年にはジュネーブ、2005年にはチュ二ジアの首都チュ二スにおいて「世界情報社会サミット(WSIS)」を開催しました。サミットでは、「2015年までに、全ての人類がICTを活用することができる情報社会を建設する」という世界の首脳の決意を得て、そのための行動計画(Action
Plan)や具体的な実施計画(Tunis Agenda)の合意を取り付けました。日本ではあまり認識されていませんが、各国や国連機関、市民社会やNGOは、この合意の精神に基づいて、国際社会の大きな目標であるミレニアム合意(MDG)の実現のためにICTを活用する計画を進めています。
JTECは設立から30年が経過していますが、その創立の精神である「国際協力により持続的発展を支える」理念は、まさにミレニアム・サミットや情報社会サミットの合意を先取りするものであります。とりわけ今年2008年は、横浜でTICAD
W、また、洞爺湖でG8サミットが開催され、国際協力の重要性を再認識する特別な年でもあります。また、総務省の「国際競争力強化懇談会」においては、ICT分野の国際競争力の強化対策として,
国際共生力の強化と一体となった政策の実現が提唱されました。さらに、最近のCSR(Corporate Social Responsibility)からGSR(Global
Social Responsibility)への動向のなかで、国際協力は各企業においても一つの重要な柱となってきております。
しかしながら、昨今の日本の国際的プレゼンス低下に相符合するように、日本のODA予算も激減しており、情報通信分野も、見る影もないのが現状であるといっても過言ではありません。とはいえ、国際共生は我が国の持続的発展の生命線であるという認識のもと、途上国の成長発展と伴に生きる日本と言う視点で国際協力をいっそう強力に進めていかなければならないのではないでしょうか。
JTECは、通信・放送分野の唯一の国際協力機関であり、また、JTECの実績は誇るべきものがあります。しかし、JTECも、このような背景の下、その役割が益々重要になってきているのにもかかわらず、残念ながら、必ずしも期待に応えられているという状況にあるとはいえません。
また、これらの実績を担ってきた貴重な人材も老齢化が進む中、後継世代が育っていないという、いわゆる人材の空洞化も顕著でありますので、これら人材の経験・スキル・ノウハウが円滑に次世代に継承されるスキームの構築が急がれております。人材は全ての基盤ですので、人材育成基盤の強化は是非とも推進して参りたいと思って居りますので、皆様方の御指導・御協力を宜しく御願い致します。
以上、これらの諸問題に取り組み、皆様のご期待に沿えるJTECになるよう更なる努力をして参る所存でございますので、賛助会員の皆様、関係者の皆様におかれましては、引き続きご指導・ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。