ケニア警察、銅ケーブルが入ったコンテナーを輸出寸前で押収
      The Nation(ケニア、ナイロビ発、2006年10月19日)の記事から

     
(非鉄金属の市況高騰により、日本でも銅くずや銅線等の盗難が発生、中国に密輸出されているとのニュース記事が散見されるこのごろであるが、途上国では深刻な問題となっている。)

    電話ケーブルや電力ケーブルの窃盗犯を追跡していたケニア警察は、昨日、銅ケーブルが積載された3台のコンテナーを中国に密輸出される寸前で押収した。

    盗難の銅ケーブルは、Telkomケニアとケニア電力会社(KPLC)から窃盗した疑いが持たれている。

    3台のコンテナーのうち、1,400万シリング(約2,300万円)相当の銅ケーブルが積載された2台のコンテナーは、ナイロビ市内のエンバカシにあるケニア港湾庁の国内倉庫に留置されており、残り一台はモンバサ港で留め置きされている。

    3台のコンテナーは、屑鉄ディーラーとして登録されている国内業者によって密輸出される寸前であった。

    警察では、昨日の夜明けに、同業者が本拠地としている工業地域にある倉庫を手入れし、大量のケーブルを発見、押収するとともに業者を逮捕した。

    ケーブル窃盗団は、ナイロビ市内周辺において電話や電力サービスに被害を与えている。

    キクユ変電所管内のリムルやムグガ地域では、電力ケーブルの窃盗によりここ2週間、停電したままである。

    ケニア電力会社では、毎回、修復しても、真夜中に修復したケーブルが窃盗されるとのことである。

    Telkomケニアの幹部の話によれば、毎年、電話ケーブルの窃盗で5億シリング(約8億円)もの被害を蒙っている。

    ケニア電力会社の場合は、月にして6,000万シリング(約1億円)(年間約7億シリング相当(約11億円))の被害を受けている。

    電力ケーブルもさることながら、変圧器も被害にあっており、60台の変圧器が盗まれ、盗まれた変圧器は、分解され、銅線コイルが抜き取られ、屑鉄デーラーに売り飛ばされ、密輸出されているという。

    昨日の警察の出動は、先週から行われている取締強化の一環で行われたもので、ケニア警察では、今後、ケニア国内の他の地域にも拡げて実施するとしている。

    今回とは別件で、実業家で政治家でもあるイルシャッド スマル被告は、1,000万シリング(約1,640万円)以上にのぼる電話ケーブルと電力ケーブルを窃盗した疑いで裁判にかけられているが、960万シリング(約1,570万円)相当のTelkomケニアの電話ケーブル19.2トンの窃盗については否認しており、その後、100万シリング(約164万円)の保釈金を払って釈放されている。そのほかに窃盗犯2名が、Telkomケニアの電話ケーブル窃盗のかどで告発されている。

    Telkomケニアによれば、ここ最近、ナイロビやその他の地域で地下埋設の電話ケーブルの窃盗が増加しているとのことで、先週も、ナイロビ市内で約5,000回線の電話ケーブルが窃盗され、電話が使えない被害が出ており、市内の一部ではインターネットや銀行の自動端末サービスも利用できなくなっている。

    今回の捜査の結果、銅輸出の免許を有する業者が、窃盗犯から銅ケーブルをキロ当たり200シリング(約328円)で買い入れ、コンテナー1台当り約700万シリング(約1,150万円)で密輸出し、荒稼ぎしていることが判明している。

    Telkomケニアでは、窃盗の被害により、ほとんどの従業員を電話ケーブルの修復業務に従事させざるを得ず、そのため電話拡張計画の進捗が滞る結果になっているという。