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ベトナム・ハノイ郵政病院で画像診断支援AI「EIRL」の実証実験を開始
エルピクセル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:鎌田富久、以下「エルピクセル」)及び一般財団法人海外通信・放送コンサルティング協力(所在地:東京都品川区、理事長:阪本 泰男、以下「JTEC」)は、ベトナム国営通信グループのVNPT Information Technology Company Limited(本社:ハノイ市、以下「VNPT-IT」)と共同で、ハノイ郵政病院(Bệnh viện Bưu điện)にて画像診断支援AI「EIRL(エイル)」シリーズの実証実験(PoC)を開始することに合意いたしました。
ベトナムをはじめとした東南アジア諸国では、人口当たりの医師数は日本の半分以下の状況です[1]。医療サービスの質についても、都市の大病院と地方の小規模診療所では差が大きいことから、都市の大病院に患者が集中し医療リソースのさらなる逼迫を引き起こしています。例えばハノイ市内のある病院でも、地方から泊まりがけで診察を受けに来る患者に対応するため、放射線科は週7日24時間稼働をしている状況です。さらに、経済的成長や生活習慣の変化に伴い、先進諸国と同様に高齢化や生活習慣病が国家的な課題となりつつあり、これまでは習慣化していなかった「健康診断」が定着することで、さらなる医療リソースの逼迫が予想されます。
こうした背景から、日本以上に画像診断支援AIのニーズは高く、加速的に普及が進むことが考えられます。そこで、ベトナムでの販売開始を見据えて、技術的適合性や診断ワークフロー上での有効性を検証するため、以下の実証実験を開始することになりました。
【実証実験の概要】
PoCでは、VNPT-ITの医療用画像保管通信システム(クラウドPACS)を活用し、胸部X線、胸部CT、脳MRAを対象としたEIRLシリーズ各製品を導入し、技術的適合性や診断ワークフロー上での有効性を検証します。検証結果を踏まえて、ベトナムでの導入・普及に向けた協議を開始する予定です。
●期間:2025年9月23日〜2026年2月28日
●目的:ベトナムにおける技術的適合性の検証、商用化に向けた協議
●役割:
・エルピクセル:画像診断支援AI「EIRL(エイル)」の提供・技術サポート
・JTEC:プロジェクトマネジメント、現地ニーズ把握、ビジネスプラン支援
・VNPT-IT:クラウド環境整備、PACS連携、現地病院との調整
【画像診断支援AI技術について】
高度化するモダリティとともに、医療画像診断の作業は増加の一途をたどっています。AIを活用した独自のアルゴリズムによって、胸部X線、CT、内視鏡、MRIなどの医療画像情報を解析し、医師が効率的で、正確な診断ができる環境の提供を目指します。エルピクセルが提供する画像診断支援AI「EIRL(エイル)」シリーズは、これまでに大学病院から診療所まで幅広く、日本国内47都道府県全てにおいて累計1000以上の医療施設に導入され、総解析件数は1200万件を突破いたしました(2025年6月末時点、トライアル含む)。
・EIRLプロダクトサイト(医療従事者向け):https://eirl.ai/ja/
【VNPT Information Technology Company Limited(VNPT-IT)について】
VNPT-ITは、研究開発、デジタルトランスフォーメーション、イノベーションに強い、ベトナム郵便通信グループ(VNPT)の中核IT事業会社です。ハノイ郵政病院はVNPTグループ傘下の総合病院です。
●所在地:ベトナム社会主義共和国 ハノイ市 VNPT Tower, 57 Huynh Thuc Khang Str, HaNoi, Socialist Republic of Vietnam
●代表者:General Director, Dr. Pham Huy Hoang
●事業分野:VNPTグループ内および国内外の顧客向けに、デジタルトランスフォーメーション関連の製品・サービスの研究開発、製造、販売を展開しています。
ウェブサイト:https://vnptit.vn/
【エルピクセル株式会社について】
エルピクセル株式会社は、ライフサイエンス領域の画像解析に強みを持ち、医療・製薬・農業分野において画像解析技術、とりわけ人工知能技術を応用することで、高精度のソフトウエアを開発してまいりました。医師の診断を支援するAI画像診断支援技術「EIRL(エイル)」、創薬に特化した画像解析AI「IMACEL(イマセル)」を軸に事業を展開しています。
コーポレートサイト:https://lpixel.net/
公式ブログ(Note):https://note.com/lpixel/
[1] 日本における1,000人あたりの医師数が2.37人であるのに対し、ベトナムでは0.82人である。(出典: World Bank, World Development Indicators)